多岐神社(養老町)概要: 多岐神社は岐阜県養老郡養老町三神町に鎮座している神社です。多岐神社の創建は不詳ですが和銅元年(708)、古代この地を支配した多芸氏の祖神の御霊を勧請したのが始まりと伝えられています。
延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載される式内社とされ、同じく平安時代に編纂された美濃国神名帳にも「従五位下 多岐明神」との記載があります。古くから美濃国三宮と云われ、多芸郡五十五村の惣社として社運が隆盛し、最盛期には多くの神官が斎仕し別当寺として6坊を擁する大社として春秋二季の祭典は盛大を極めたと云われています。
弘治、永禄年間(1550〜1560年頃)の動乱を経て天正5年(1577)には織田信長から社領を没収され、さらに天正13(1585)の洪水で社殿や境内が大きな被害を受け衰退します。慶長7年(1602)頃から再建され(慶長7年の棟札が残され養老町指定文化財)、明治6年(1873)には郷社に昭和37年(1962)には金幣社に列しています。
本殿背後にある円墳は多芸氏を葬った塚とされ頂上には文治5年(1189)に建立された妙法経塚があります(養老町指定史跡)。祭神:倉稻魂神、素盞嗚命。
多岐神社の社宝である懸仏は、神仏習合時代の遺構で、最古のものは鎌倉時代末期の正中2年(1325)の阿弥陀如来像、新しいものでも戦国時代の天文13年(1544)の阿弥陀如来像、合計27面が昭和45年(1970)に岐阜県重要文化財(工芸品)に指定されています。
同じく多岐神社の社宝である根来祭器は鎌倉時代に制作されたもので直径36cm、一文字型(11個)、直径36cm低い縁付(4個)、直径23cm皿形端開高台(10個)、直径23cm椀形端開高台(2個)が養老町指定文化財(工芸品)に指定されています。
同じく多岐神社の社宝である勅額は鎌倉時代に制作されたもので縦44cm、横14.5cm「三宮正一位 護法大菩薩」の銘、どの天皇から賜ったのかは不詳ですが、多岐神社が美濃国三宮として認識され、神仏習合した名残として貴重な事から養老町指定文化財(工芸品)に指定されています。
同じく多岐神社の社宝である蟇股は鎌倉時代に彫刻され、旧多岐神社の社殿に施されていたと推定されるもので、欅材、すかし彫り、題材正面:龍、裏面:おもだか(水生植物)、養老町指定文化財(工芸品)に指定されています。
同じく多岐神社の社宝である如法経(9軸)は平安時代に記されたもので保存状態は良くないものの、「大方等大集経巻第十七」などが見いだされ神仏習合時代の遺構として貴重な事から養老町指定文化財(典籍)に指定されています。
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多岐神社:上空画像
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