苗木藩概要: 戦国時代の苗木領は苗木遠山家が支配してきましたが豊臣政権下では徳川家に組した事でこの地を追われ、豊臣家家臣森長可の客将河尻秀長の所領となりました。慶長5年(1600)の関が原の戦いで秀長は西軍に組し、遠山友政が東軍の苗木城攻防戦に参戦し、見事苗木城を奪取した事から1万5百石が与えられ旧領に復帰、苗木藩を立藩しました。友政は大坂冬の陣、夏の陣共に参陣して功を上げ1万石程度では異例中の異例として城主格の格式を得、一度も領地変えも無く遠山家12代が苗木藩主を歴任し明治維新を迎えています。
12代藩主遠山友禄は第13代将軍徳川家定の正室篤姫の従姉妹にあたる嘉姫を正室に迎えた事もあり、幕府の要職を歴任し若年寄や大坂警備、第二次長州征伐の出兵にも参陣しました。その為、経費が増大し藩の財政は著しく逼迫、藩札の増刷や極度の倹約、年貢の借り上げなどが行われました。平田派国学の影響を強く受けたこともあり、明治時代初頭に発令された神仏分離令とそれに伴う廃仏毀釈運動に大きく傾倒し、藩内のほとんどの寺院が廃寺に追い込まれる極めて異常な時期があり特筆されます。
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苗木藩歴代藩主
| 藩主名 | 藩主年間 | 石高 | 備考 |
初代 | 遠山友政 | 1600〜1620年 | 1万石 | |
2代 | 遠山秀友 | 1620〜1642年 | 1万石 | |
3代 | 遠山友貞 | 1642〜1675年 | 1万石 | |
4代 | 遠山友春 | 1675〜1712年 | 1万石 | |
5代 | 遠山友由 | 1712〜1722年 | 1万石 | |
6代 | 遠山友将 | 1722〜1732年 | 1万石 | |
7代 | 遠山友央 | 1732〜1740年 | 1万石 | |
8代 | 遠山友明 | 1740〜1753年 | 1万石 | |
9代 | 遠山友清 | 1753〜1777年 | 1万石 | |
10代 | 遠山友随 | 1777〜1792年 | 1万石 | |
11代 | 遠山友寿 | 1792〜1838年 | 1万石 | |
12代 | 遠山友詳 | 1839〜1871年 | 1万石 | |
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