鬼岩(御嵩町)概要: 伝承によると12世紀後半、関で生まれた太郎という若者がいました。太郎は粗暴がある一面から村を追い出され、この渓谷にある岩屋で1人寂しく過ごすことになりました。
太郎は寂しさと空腹、追い詰められた恐怖感から人間を恨むようになり、やがて鬼のような形相に変わり、周辺の村々に悪事を働いたり、東山道の旅人を襲ったりしました。時の権力者である後白河法皇がこの話を聞いて、太郎討伐の命を下し多くの兵が太郎を攻め立てましたが、鬼と化した太郎の敵ではありませんでした。
そこで願興寺(蟹薬師)に祈願したところ、薬師如来が現れ太郎に対し今まで人間がしてきた仕打ちを誤り、これからの生きる道を諭したところ、鬼の顔が仏のような穏やかな顔となり、以来、村人の守護神となり魔除けの信仰対象としてまつられることになったと伝えられています。
地政学的には何百万年にわたって平岩川により花崗岩が侵食されてできた巨岩や奇石で、自然崇拝として信仰の対象になっていたようで主な岩には蓮華岩、臼岩、太郎岩、鋏岩、俎板岩、屏風岩、行者岩などと名付けられています。鬼岩は国指定名勝および天然記念物に指定されています。現在は鬼岩公園として整備され秋は紅葉の名所となり、温泉地としても多くの人達が利用しています。
鬼岩公園:上空画像
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